英語のことわざ:バラのツボミは摘めるうちに摘みなさい
自宅の小さなモニターで、動画配信サービスで提供されている映画を鑑賞したあと、おもしろかった分だけ「これ映画館で観るべきだった~!」と後悔することの多いキーラキアーラのスタッフです。
楽しめることは楽しめるうちに、もたもたせずに楽しんじゃわないといけないものですよね……。
同じ失敗をくり返すのにも飽きてきたので、そろそろ「バラのツボミは摘めるうちに摘め」を心がけるべきなようです。
英語のことわざ
バラのツボミは摘めるうちに摘め
大正4年に発表された「ゴンドラの唄」の歌詞に、歌人吉井勇がつけた〈いのち短し 恋せよ乙女〉というフレーズは、今でもものすごく有名かつ人気です。
なら、今回ご紹介する英語のことわざも、前向きでロマンチックな詩が大好きな皆さまのお気に召すことでしょう。
Gather ye rosebuds while ye may.
「バラのツボミは摘めるうちに摘みなさい」
今ではことわざとして使われているフレーズですが、もともとは「乙女よ、時を大切にしなさい(To the Virgins, to Make Much of Time)」という詩の冒頭にあたります。
※イディオム
make much of…:~を重んじる、大切にする
【例文】
You must make much of friends.
友だちは大切になさいよ。
英語はそんなに得意じゃないんですけれど、がんばって冒頭だけ訳してみました。
Gather ye Rose-buds while ye may,
Old Time is still a-flying:
And this same flower that smiles to day,
To morrow will be dying.
バラのツボミはできるときに摘みなさい
古い時はまだ飛んでいる
そして今日ほほえんでいる同じ花だって
明日には枯れているのだろうから
17世紀のイングランドで書かれた、イギリスの詩人ロバート・へリック(Robert Herrick)という方の作品です。
英語版のウィキペディアによると、へリックさんは2,500作品を越える、多くの詩を書かれたのだとか。
調べてみたところ、日本語版の翻訳詩集も出版されているみたいなので、見つけたときにはすぐ読んでみたいと思います。楽しみです。
音楽や絵画へも影響
ローズやウォーターハウスの
「バラは摘めるときに摘め」
ちなみに、ことわざとして辞書に載るほど愛されている作品ですので、この詩から派生した有名作品というものもあります。
まず音楽では、ウィリアム・ローズという作曲家さんが伴奏をつくっていて、YouTubeなどですてきな演奏とともに発音を確認することができます。
イングランド王チャールズ一世に仕えた宮廷音楽家さんだったんですけれど、イングランド内戦が勃発するや、軍に加わって近衛兵になり、戦死を遂げたというなかなか激しい人だったそうです。
「Gather ye Rose-buds」の曲は、優しげでデリケートな雰囲気だったので、ギャップがおもしろいですよね。
ちなみに詩を作ったロバート・へリックさんは、恋の歌をたくさん作ったものの生涯独身だったそうです。愉快な人柄だったという記述も見かけたので、モテそうだと思ったんですけれど。意外ですね。
絵画への影響だと、有名なところではジョン・ウィリアム・ウォーターハウスさんの作品を挙げられるようです。
この人もイギリス人で、神話や古典文学に登場する女性を美しくロマンチックに描くことに定評があります。
たぶん、ファンタジー小説が好きだったり、ソシャゲのキャラクターの元ネタを検索したことがあったりする人は、一度くらい彼のキルケ―を見てるんじゃないかなと思います。
※ キルケ―
ギリシャ神話に登場する魔女。
彼女の島にやってきた英雄オデュッセウスの部下を宴に招き、魔法でブタに変身させたけれど、オデュッセウス本人には魔法が通じなかったので降参し、恋愛関係を結んだものの、オデュッセウスはキルケ―を残し故郷に向けて再出発する。
オデュッセウスに杯を差し出すキルケ
“Circe Offering the Cup to Ulysses”,1891
↑リンク先で鑑賞できます
鑑賞用植物標本ハーバリウムを取り扱っている当店キーラキアーラとしましては、こちらの「エコーとナルキッソス」もチェックしておきたいところ。
ギリシャ神話とゆかりのある花は多いですが、スイセンもそのひとつ。英語でスイセンをナーシサスといいますが、これはナルキッソスくんのこと。この伝説によると、スイセンというのは、水に写った自分の姿に恋をしてしまった美少年から生まれたものなのだとか。
エコーとナルキッソス,
“Echo and Narcissus”,1903
今回ご紹介している「Gather Ye Rosebuds While Ye May」については、少なくとも2作品が描かれているようです。
どちらが気に入るかで好みが分かれそうですね。
このブログを書いているキーラキアーラのスタッフは、どちらかといえば前者の1908年版が好みです。
すでにバラを摘み終わった女性の決然とした表情が魅力的だなぁと思いました。
バラのツボミは摘めるうちに摘め,1908年版
Gather Ye Rosebuds While Ye May,1908
バラのツボミは摘めるうちに摘め,1909年版
Gather Ye Rosebuds While Ye May,1909
Carpe Diem(カルペディエム)
「その日を摘め」のメッセージ
初っ端から「命短し~」と別作品を取り上げましたが、この「バラのツボミは詰めるときに摘め」のような、今を大切にしなさいというメッセージは、古今東西を問わずいろいろな人がくり返してきました。
ヨーロッパだと、古代ローマの詩人ホラティウスのことば「Carpe Diem(カルペディエム)=その日を摘め」が、その代表フレーズになっているようです。
ぐっと我慢することも多い昨今、この「今、目の前にある楽しみを見逃さないようにしなさいね」という、ポジティブでハングリーな格言が、なんだかすごく為になるような気がします。
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(2021/04/22)