ハーバリウムにカスミソウを使いたくなるブログ
大阪天満橋でひっそり活動中、Chira Chiara(キーラキアーラ)です。
当店のハーバリウム制作体験ワークショップでも、定番の花材カスミソウは大人気。
ところで皆さま、カスミソウってどんな花でしたっけ?
春霞のようなナデシコ
「カスミソウ」ってどんな花?
ものを調べようと思ったときは真っ先に辞書を引くタイプなので、今回もまずはデジタル大辞泉がなんと言っているか見てみたいと思います。
かすみ‐そう〔‐サウ〕【×霞草】
1 ナデシコ科の多年草。高さ約50センチ。葉は線形。細かく分かれた枝の先に白い小花をつけ、霞がかかったように見える。コーカサス原産。切り花にする。むれなでしこ。《季 春》
2 ホトケノザの別名。
デジタル大辞泉 より引用
なるほど、さすが辞書。
すでにスッキリしちゃったような気がしますが、せっかくなので少し詳しく読んでみることにします。
カスミソウの家族
ナデシコ科ってどんな感じ?
まずカスミソウというのは「ナデシコ科」に分類されるとのこと。
ナデシコといえば、日本人女性の柔和な美しさを讃えるときに「大和撫子」と美称するのでおなじみの花ですよね。
日本三大随筆のひとつに数えられる、女流エッセイスト清少納言の『枕草子』には、テーマに沿っていろいろなものがリストアップされているのですが、その64段で紹介されているのは、清少納言がセレクトしたすてきな草花のリストで、そのトップに挙げられているのは、なんとナデシコです。
草の花は撫子、唐のはさらなり、大和のも、いとめでたし。女郎花。桔梗。朝顔。刈萱。菊。壺すみれ。(後略)
草の花といえばナデシコ、中国のものは言うまでもないけど、日本のものもとても美しい。オミナエシ、キキョウ、アサガオ、カルカヤ(イネ科の植物)、キク、ツボスミレなどもいい。
平安女流文学といえば、紫式部の『源氏物語』に登場する女性キャラの夕顔には、もうひとつ「常夏の女」という呼び名があるのですが、この常夏というのはナデシコの古い呼び方なのだとか。
日本でも古くから愛されてきたナデシコなのですが、原産地はどこかと調べてみれば、なんと「ヨーロッパ、北アメリカ、アジア、南アフリカ」とのこと。
世界にはナデシコ科の植物が約300種類も分布していて、そのうちの一種がカスミソウと呼ばれているわけです。
細かい花に細い茎
カスミソウの特徴ってどんな感じ?
では、私たちがカスミソウと呼んでいるナデシコは、いったいどんな植物なのでしょうか。
とりあえず画像を見てみましょう。
名前にふさわしく、細かい水の粒子を思わせるような小さく可憐な花と、それをふわりと支える華奢な枝茎のコンビネーションがたまらないですね。
日本語ではその繊細さを思わせる「霞草」という名前で呼ばれていますが、英語では「baby’s breath(赤ちゃんの息)」という呼び名のほか、学名の「gypsophila(ギプソフィラ)」が使われているようです。
ギリシャ語由来の学名は2つのパート、前半の「gypsos(石膏)」と後半の「philios(愛する)」から成っていて、どんな土壌を好むかを表しています。石灰質の土壌といえば、たしかワイン造りにも好まれますよね。なんだか興味をかき立てられます。
色もいろいろ
カスミソウの花言葉ってなんだっけ?
当店Chira Chiaraはあまり花言葉にこだわりがないのですが、もし花を贈るならプレゼントした相手に気まずい思いをさせては残念なので、いちおう一般的なカスミソウのイメージを把握しておこうと思います。
カスミソウの花言葉としてよく挙げられるのは、まず「清らかな心」「無邪気」「無垢」「幸福」といったあたり。
色ごとにピンクなら「切なる願い」「感激」などと分けて考えている人もいれば、色ごとの違いはないとしている人もいるようです。
英語のサイトも覗いてみたのですが、赤ちゃんの吐息という意味の通称にふさわしい「ファミリー、プラトニック、ロマンチックを含む、永遠不朽の愛」や「純真さと、外部からの影響や腐敗からの自由」などや、日本でも使われている「無垢」なども挙げられています。
個人的には「自制心と愛に集中し続ける力」というフレーズがかっこいいなと思いました。愛の長久を願ってウェディングのシーンで使う人も多いようです。
参照:https://www.flowermeaning.com/baby-breath-flower/
カスミソウがハーバリウムの
定番花材になった理由は?
観賞用植物標本ハーバリウムも、インテリア雑貨としてすっかり定番になりました。
ボトルの中に花材を配置してオイルを注ぐというシンプルな作り方から、ご自身でハンドメイドされる方も多いハーバリウム。当店の制作体験ワークショップにも「新しい趣味にしたいと思って」と、ご自身の力だけで制作を続けることを前提にご来店される方は少なくありません。
ハーバリウムを趣味にしようと思った時、難しいのが花材選び。
ときめかないのは論外ですが、ときめきだけで選んでしまうと、きれいに配置するのが難しい花材ばかりを買い込んでしまい、使い切れなくなってしまいます。
ハーバリウムのための花材には、比較的カンタンに美しく配置できるものから、コツを知っていないとデザイン崩れを起こしてしまうものまで、難易度の差があります。
そしてカスミソウは、比較的に扱いがカンタンな花材のひとつに数えられます。
新型コロナウイルス拡散防止のステイホームのため、新しい趣味としてハーバリウムに挑戦される初心者さま向けに、当店でもスターターキットの通販を行っておりましたが、このキットの付属花材として選んだのはアジサイでした。
アジサイやカスミソウなど、ふわりと広がりボリュームのある花材は、ボトルのなかで広がって安定するうえに、裏表や上下がひっくり返って違和感を引き起こす心配も少ないので、初心者向きといえます。
かわいいだけでなく、デザインに安定をもたらしてくれることから、カスミソウはハーバリウムの定番花材としての地位を確立したのでしょう。
ハーバリウムの
制作体験ワークショップ
ぜひ便利にご活用ください
ハーバリウムの作り方は、ボトルの中に花材を配置してオイルを注ぐだけ。
ですが、ちょっと知っておけばしない失敗を回避できたり、ちょっとあると役立つものが用意されていたりと、ハーバリウムコーディネーターのいる制作体験ワークショップは、初心者さんにオススメな条件がそろっています。
キーラキアーラは、大阪天満橋駅から歩いて数分。
レッスンは完全予約制、かつ少人数制です。
講師を務めるハーバリウムコーディネーターが自ら選んだ花材を、いつも50種類以上ご用意して、お客さまのご予約をお待ちしております。
花材の管理や下ごしらえ、作業後のお掃除など、めんどうくさいことは当店にお任せいただいて、サクッといいとこ取り。
安心の一コマ完結レッスンで、ハーバリウムを楽しんでみてくださいね。