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ハーバリウム(herbarium):言葉の意味とその姿

ワークショップ|2019/04/04 posted.
ハーバリウムとは:言葉の意味とその姿

ハーバリウム制作ワークショップを開催中。
大阪キーラキアーラです、こんにちは!

ハーバリウムっていったい何?
植物を身近に感じられるインテリアとして、すっかりお馴染みになった感のある「ハーバリウム」ですが、そのイメージが定着した今こそ気になるのがその正体
今日はハーバリウムという言葉の意味から出発して、私たちのよく知るハーバリウムについて考えてみましょう♪

ハーバリウム(herbarium)という名詞
まずは「ハーバリウム」というの意味するところから。
ちょっと植物に興味のある方であれば、「ハーバリウム」という音から「ハーブ(herb)」という言葉を取り出すことは、そう難しいことじゃないと思います。

香りや薬効を得るために暮らしのなかで使われる植物を「ハーブ」と呼びます。
料理に使うバジルやローズマリー、洗濯のときにふわりと香るラベンダー、掃除グッズの定番ミントなどが、イメージしやすいところですよね。
現在ではこのように、限定された植物を指す言葉になっている「ハーブ」ですが、語源となったラテン語の「herba」はもっと大きく「草木」という意味でした。

後半の「アリウム(~arium)」は接尾辞(ほかの言葉の後ろにドッキングして意味を付け加えるパーツ)で、意味するところは「~に関する場所」ほどの意味になります。
アクアリウム(水に関する場所)という英単語は、社会に出ると凝った水槽を作る趣味に使われますが、受験勉強のときには「水族館」って習いましたよね。私的なものか、公共的なものかの違いはありますが、水に関連する空間がつくってあるという意味においては、等しくアクアリウムです。

上記の2つのパーツを合わせたハーバリウム」という言葉は、直接的には「植物に関係するところ」という意味になります。つまり本来の「ハーバリウム」というのは、場所を指す言葉だったわけですね。
なので今でも辞書を引けば、その通りの結果が出ます。

英辞郎 on the web BYアルク
【名】
植物標本集◆研究のために、乾燥させた植物標本を分類したもの。
植物標本室[館]
発音:həːrbέəriəm、カナ:ハーバリアム、分節:her・bar・i・um

研究のための植物標本集(ハーバリウム)
植物は身近である反面、毒になったり薬になったりする存在ですから、「植物学」という学問の形で、古来からたくさんの人が、その謎に挑んで研究を進めてきました。
研究には見比べるための、大量のサンプルが必要になります。
その植物サンプルを所蔵するための空間が「ハーバリウム」と呼ばれたわけですね。

「そのあるじとすみかと、無常をあらそひ去るさま、いはゞ朝顏の露にことならず。或は露おちて花のこれり。のこるといへども朝日に枯れぬ。或は花はしぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、ゆふべを待つことなし」
(目まぐるしく入れ替わり、建て替わる)住む人と家屋とが、無常さを争うようすは、言ってみればアサガオの花みたいなものだ。朝露が落ちて花が残っても、朝日が差せば枯れる。あるいは花が先に萎んで、朝露が消え残ったって、夕方までは待っていちゃくれない。
※ふんわり意訳

……なんて書いて、フレッシュなアサガオ儚さを「無常」の象徴にしたのは、「方丈記」を書いた鴨長明ですが、日本の誇るエッセイストが着目したとおり、生の植物ってすぐにダメになってしまいます。
植物をできるだけ観察に適する姿で残すためには、工夫が必要でした。

2018年の秋に、東京上野にある国立科学博物館で開催されていた、特別展「標本づくりの技 職人たちが支える科博」を見学できた人は、標本のなんたるかを分かりやすく教えてもらえて、本当にラッキーでしたよね。
その展示の約半分は「植物標本づくりの技 -フィールドからハーバリウムまで-」と銘打たれた、まさに研究用ハーバリウムに関する解説になっていました。

研究用ハーバリウム参考画像

押し花ドライフラワーも、立派な標本づくり技法のひとつ。
目的や状況によって、求められる植物標本の姿は実にいろいろです。
企画展はすでに終わってしまいましたが、科博常設展にある動植物の標本は、一度ではとても見尽くせないほどのボリュームと、思わず見とれてしまう美しさを兼ね備えているので、ぜひ訪ねてみていただきたいスポットです。

白浜温泉でノンビリされる予定がおありなら、バスでちょっとのところにある南方熊楠記念館もイチオシ。粘菌研究で有名な南方さんの記念館なので、華やかさはありませんが、和歌山が生んだ世界的な博物学者・民俗学者が遺した、研究の足跡に圧倒されちゃいます。絶景を楽しめる屋上展望台は一見の価値あり

ちなみに、南方熊楠記念館の近隣には、京都大学白浜水族館がありますのでので、ハーバリウムとアクアリウムの梯子ができちゃいます。大きくはないですが、お勉強ができる水族館で、動物好きにはたまりませんでした。

白浜紹介画像

このように各地の博物館研究所などには、現在も植物の収集・保存が行われている施設がありますから、それらのことはすべて研究用のハーバリウムと呼ぶことができます。
もしかすると、近隣の小学校の理科室なんかにも、子ども達の自然な好奇心と学びのマッチングから、ささやかな手作りハーバリウムが生まれつつあるところかも知れません。

観賞用のハーバリウム
そうした「植物を集めて保存しておきたい」という熱意が、世々を経て日本で花開いたのが観賞用植物標本「ハーバリウム
液体とガラス瓶が使用されることから、研究用の液浸標本を思わせる姿をしています。

観賞用ハーバリウム

今はいろいろなショップが百花繚乱と咲き乱れていて、インテリア用品として「ハーバリウムはこんなもの!」と定義することはできませんが、おおむねの場合、薬品を使用して着色・乾燥させた植物であるプリザーブドフラワーを、ガラス容器に配置し、石油系のオイルで満たしたものが「ハーバリウム」と呼ばれています。

可燃性のオイルが使われているので「きれいな火炎瓶」などと揶揄されることもありますが、状況によっては本当に燃えるので、このくらいインパクトのある啓蒙活動があって、かえって良かったような気もします。
ハーバリウム火炎瓶問題についてはコチラから↓
ハーバリウムは火気厳禁:火炎瓶にしないために気を付けることって?

観賞用となったハーバリウムには、作者の美意識が反映されるようになりました。
色合わせだけでなく、揺れ動くオイルのなかで花材をどう見せるのかや、光の通りかた、デザインの安定性など、ある意味ではパズルのようなゲーム性をもたらす要素も加わって、観賞するだけでなく制作から楽しむ体験型のホビーに進化しつつあります。

そんな風潮の中で、注目を集めているのがワークショップ
花材や道具などを探し回ったり、場所を準備したり、後片付けしたりする必要もありません。
当店キーラキアーラ大阪天満橋でご用意しているのも、そのようなお手軽コース。
「ハーバリウムを作るってどういうこと?」と思ったら、どうぞコチラへ↓
⇒大阪でハーバリウムの体験講座にトライした話

「ハーバリウム」は植物を使ったクラフトアートです。
キーラキアーラはハーバリウムの多様な魅力を、老若男女を問わず、より多くのお客様に体験していただきたいと考えております。

キーラキアーラ完全予約制
保護者の同伴があれば、小学生お子さまにもご参加いただけます。
男性のみでのご参加、ご夫婦カップルでのご参加も歓迎しております。
・気心や趣味の知れたご友人同士でもご参加もオススメです。
おひとりでのご参加も多く、皆さまリラックスして楽しんでいただいております。

【店舗情報】
〒540-0035
大阪市中央区釣鐘町1-6-2 橋本ビル2F
Chira Chiara(キーラキアーラ)

天満橋駅4番出口より徒歩5分
(京阪シティモール天満橋のすぐ近くです♪)

なにか気になる点などがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね!
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