Chira Chiara|キーラキアーラ

ハーバリウムに紫陽花を使いたくなるブログ

ワークショップ|2019/02/15 posted.

大阪天満橋ハーバリウム講座開催中。
小さなセレクトショップのChira Chiara(キーラキアーラ)です♪
皆さま、アジサイはお好きですか?

日本の花「あじさい
辞書によると、日本原産の花であるアジサイは、英語で「Hydrangea(ハイドランジア)」。ギリシャ語の「水の器」を語源にしているのだとか。

日本語の「あじさい」はどこから来たのかと言えば、語源ははっきりしていない様子。
ですが、最古の和歌集である『万葉集』には、すでに「味狭藍」などの字をあてた万葉仮名登場しています

紫陽花」という漢字表記は中国生まれ
詩人の白居易が山寺で見知らぬ花に出会って「雖在人間人不識 与君名作紫陽花(人間の世界にあるけど、だれも名前を知らない。キミに名前をつけて、紫陽花としよう)」と歌ったのが最初で、その詩を読んだ日本人が「この『紫陽花』っていう表現、アジサイにピッタリじゃん…」なんて言ったかは知りませんが、とりあえず私たちの知っているアジサイに使うようになったとされているようです。
⇒「紫陽花詩」白居易/中国国際放送局2016-06-17

 

アジサイを贈るのはマナー違反

土壌によって花の色が変化したり、開花から時間を経るにしたがって、同じひとつの花が色を変えていったり。
アジサイには色が移り変わる性質があることは、よく知られています。

そのため、アジサイ花言葉の有名なものには、「移り気」だの「無常」だのと、なんだかな~なものが多いような気がしますよね。
ちょっと恋人配偶者に贈るには、気が引ける花言葉です。

さらに花弁のように色づくガクが、4つずつに分かれていることが「」に通じるからといって、お見舞いアジサイを持っていくのはマナー違反だとする声も聞かれます。

日本文学に見える「うつろう」花

たしかに「万葉集」に見えるアジサイの2首のうち1つは「心変わり」の歌です。

言問(ことと)はぬ木すら紫陽花諸弟(あぢさゐもろと)らが 練(ねり)の村戸(むらと)にあざむかえけり/大伴家持

なにも言わない木ですら、アジサイみたいに変わっちゃう。小賢しいやつらに騙されちゃったよ。
※ざっくりした意訳

ですが、ここで思い出していただきたいのが、中高の古典の教科書に載っていた「蜻蛉日記」です。
作者である藤原道綱母が、浮気夫を家から閉め出したうえで送りつける「あなた、心変わりなさったんでしょ?」というメッセージが込められたは、「高貴」「高潔」「高尚」の花言葉を持つ日本の国花菊の花(のちょっと盛りを過ぎたやつ)です。

心変わりイメージさせる「うつろい」の花は、アジサイひとつとは言えないようです。

栄えを祈って八重に咲くアジサイ

百人一首でおなじみの「いにしへの奈良の都の 八重桜けふ九重ににほひぬるかな」の一首は、紫式部と同時代に生きた伊勢大輔という女流歌人の歌。意味は「古い奈良の都の八重桜が、今日は都でより華やかに咲き誇っております」といったところでしょうか。
旧都奈良から届いた八重桜の美を褒めつつ、さらに「でも今の都はもっと華やかよね」とヨイショするという、歌人の才知がきらめく歌です。

花がふんわり咲いてるところって、なんだか幸せが漂いますし、現在の美しさを称えると、やっぱり「これから先も、きっといいことが続くよね」って期待したくなってきますよね。

先に紹介した万葉集」のアジサイの歌は、心変わりを歌ったものでしたが、残る一つは伊勢大輔の八重桜の歌のように、ポジティブイメージが込められています。

紫陽花の八重咲く如く弥(や)つ代にを いませわが背子見つつ偲(しの)はぬ/橘諸兄

アジサイの花が八重に咲くみたいに、ずっと健勝でいてください。あなたを見守り、気にかけていますからね。
※ざっくりした意訳

この花をたくさんつけた八重咲きのアジサイは、歌いかけた相手の栄えイメージを運ぶ役割をになっています。

花の意味を決めるのは贈り主
どうやら万葉の昔から、ポジティブネガティブ両方メッセージ性を持っているアジサイの花。

ならば「マナー違反にならないかな…」だなんて、誰かの決めた花言葉にと怯えるよりも、どんな気持ちでその花を選んだのか、自分の言葉で伝えて贈ったほうが、ずっと楽しいと思いませんか?

ハーバリウムアジサイの十八番
近年ぐんぐんきているインテリア雑貨、観賞用植物標本ハーバリウム
じつはアジサイって、ハーバリウムには欠かせない花材なんです。

アジサイの花のふんわりした構造は、オイルのなかを漂って移動しようとする花材をキャッチして、デザイン安定させるのにもってこい。
オイルが浸透したときの透け感も美しく、アジサイだけで作るデザインには根強い人気があります

当店キーラキアーラでも、アジサイプリザーブドフラワーは大活躍。多くの受講者さまがご使用されています。
注いだばかりのオイルの中で、鮮やかに透けていくアジサイ変化を見逃したくないと、でき上がってからしばらく目が離せなくなってしまう方もいらっしゃいました。


ハーバリウム
を作るってどういうこと?
「乾いた花をビンに入れて、油漬けにするだけでしょ。教わることとかあるんですか?」
ちょっとハーバリウムに興味が出てくると、こんな疑問が湧いてきますよね。それについては、こちらのブログを一読していただければ、なんとなくお分かりいただけるかと思います。
⇒大阪でハーバリウムの体験講座にトライした話

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