四月の雨が五月の花を連れてくる:ことわざ
初夏に入って、晴天が気持ちのいい日が増えましたね!
当店キーラキアーラのスタッフも #STAYHOME で運動不足になりがちなので、健康維持のためにたまには近所をウォーキングしてみたりするのですが、空は青いし木々の緑はあざやかだし、足元には小さい頃に摘んで遊んでいたような懐かしい花が咲いていて、いい季節になったなぁ~といい気分になっております。
さわやかな初夏を追いかけてやって来る、梅雨の足音だけがちょっと憂鬱なのですが……。
英語のことわざ
4月の雨が5月の花を連れてくる
お花見と聞いて「なんの花を見に行くの?」なんて質問する人がいないレベルで、日本の花の季節といえばなによりもサクラの咲く4月でしょう。
花が咲いて、緑が萌えて、次に梅雨がやってきて雨の季節が始まります。
ですが、ところ変われば品も変わるもの。
英語圏では雨の季節が終わってから、花の季節がやってきます。
そこでご紹介したいのがコチラのことわざ。
April showers bring May flowers.
「4月の雨が5月の花を連れてくる」
ちょっと調べてみたんですが、ことわざとしての書籍への初出が1886年っていうことなので、ヴィクトリア女王の時代にはもう広く知られていたみたいです。日本だと明治19年なので、石川啄木が生まれた年ですね。
もしくはこっちのバージョンでご存知の方もいらっしゃるかと思います。
March winds and April showers bring forth May flowers.
「3月の風と4月の雨が5月の花を運んでくる」
どうもカンタベリー物語(14世紀にイングランドの詩人チョーサーが書いた作品)や、記録に残っている1610年の詩っていうのにも似たような表現があるそうです。どんな作品なのか気になっちゃうのですが、難しそうなのでひとまず置いておきます。
英語が得意な方は、下記のリンクからWikipediaのApril showerの項目に飛んでみてください。
⇒April shower
英語版の「苦あれば楽あり」
イギリスといえば、お天気が変わりやすことで有名ですよね。
中学生の授業かなにかで「イギリスでは1日のなかに四季がある」っていう表現を習って、ちょうどハリー・ポッターに夢中だったこともあって猛烈な憧れを覚えたりもしたんですが、冷静になって考えてみると、長くて暗くてじめじめした冬が終わって、やっと明るい季節が巡ってきたと思ったのに、それでも雨が降らない日はない……ってなると、かなりガッカリしちゃいそうですよね。
そんなお天気事情もあってか、ことわざの「4月の雨が5月の花を連れてくる」には、季節の表現だけではなく「悪いことがあっても、先にはいいことがあるよ」っていう意味合いが込められているのだとか。
日本や中国のことわざだと「苦あれば楽あり」みたいなものなのでしょうか。
ほかにも「人間万事塞翁が馬」や「禍福は糾える縄の如し」なども、このお仲間になりそうです。
嫌なことやツラいことがあっても、耐え忍べば未来にはいいことがあるものだよというアドバイスは、今こそ心強いメッセージですね。
英語版のフレーズを
いちおう読んでおきたい
もののついでですので、英語の授業風に「April showers bring May flowers.」を解説してみます。
主語は「四月の雨(April showers)」、動詞は「持ってくる(bring)」で、目的語として「五月の花たち(May flowers)」があるので、文型でいうなら第3文型のSVO型になっています。
日本語で「雨」っていうと単数形のような気がしますが、ここで使われているのは単数形の「雨(rain)」ではなくて、複数形の「にわか雨(showers)」なので、動詞の「持ってくる(bring)」にも三単現のSが付いていないんですね。
どうも一般的に「連れてくる」っていう日本語が使われているみたいなので、この和訳を踏襲したんですが、動詞「持ってくる(bring)」で移動させるのはヒトでもモノでもOKなので、あんまり神経質になることはないと思います。
自然現象に使う表現なら「The winter brought heavy snowfalls.(その冬は何度かの大雪をもたらした→その冬は何度か大雪が降った)」みたいに、これも「4月の雨が5月の花々をもたらす」って訳しても大丈夫です。
訳語選びっておもしろいですね!
#STAYHOMEは続きますが、今こそ「April showers bring May flowers.(4月の雨が5月の花を連れてくる)」と信じて、踏ん張っていきたいですね!
皆さまも手洗いうがいを徹底して、健やかにお過ごしください♪