大阪城の梅林を実際に歩いてみたレポブログ
『大阪で梅の花を見たい』
二月も中旬になると、大阪の府花である梅の花が見ごろを迎えます。
難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花
かつて、百済と呼ばれていた朝鮮半島西部の王国から、遠路はるばる海を越えて、日本へ漢字と儒教を伝えてくれた渡来人の王仁(わに)さんが、こう詠った「この花」は梅であるとされていまして、難波宮に都があった古墳時代の昔から、大阪と梅の花というのはなじみの深い関係だったようです。
その難波宮があったのが、現在の大阪城からちょっと南のあたり。
大阪で梅といえば、大阪天満宮に祭られている天神さん(菅原道真)の梅もいいですが、ここは難波津の歌の昔を偲んで造られた、大阪城梅林をブログでレポしちゃおうと思います!
大阪城と梅林のお散歩ルート
大阪メトロで
梅田から天満橋駅へ
交通の便のいい大阪には、いろいろなルートからアクセスが可能なのですが、今回は梅にちなんで【梅田】を玄関口にしてみましょう。
まずはOsaka Metroの「東梅田(駅番号:T20)」にたどり着き、一番線の「天満橋・天王寺・八尾南方面」の電車に乗って、2駅目の「天満橋」駅で降りてください。
天満橋駅には4つの出入り口がありますが、そのうち「三番出口」で地上に出ましょう。
親切に「大阪城⇒」と表示がついているので、まず間違えません。
天満橋駅から
大阪城の大手門へ
天満橋駅3番出口を上がって、左手にある交差点で左を向いたら、すぐに大阪城の天守閣が見えるので、もう迷いようがありません。
まっすぐに天守閣を目指すと、右手に大手前大学があります。
その足元にある横断歩道を渡ると、大阪城の内部の地図があるので、広々とした外堀の水面を眺めながら、梅林までのルートを確認しておくと安心です。
堀の周りを右に行っても左に行っても、どちらにも入口はあるのですが、どうせなら正面玄関から入るのも悪くないですよね。
地図のところで右に曲がって、道なりに歩いていくと、大阪城の大手門があります。
大手門を抜けて
豊国神社へ
まっすぐ石積みの橋を渡って行って、いかにも攻めにくそうな大手門を抜ければ、敵を防ぐための防衛設備の解説ボードなどが立っていて「ほら~やっぱり攻めにくいんだ~!」と、歴史好きのテンションが急上昇を始めます。
そのまま道なりに歩いていくと、左手に天守閣へ通じている桜門が見えてくるのですが、今回はまず梅林に行きたいので、直進します。
直進が最短ルートなんですが、どうせなら右手に見えてくる神社にもご注目ください。
出世・開運のご利益で有名な「豊国神社」のご祭神は、豊臣秀吉。
太閤さんといえば、たぶん大阪で最も人気のある戦国武将なんじゃないでしょうか。
こちらの神社には凛々しい立像もあって、ファンにはたまらない歴史スポットになっています。
こちらの神社は通り抜けができるので、わざわざ後戻りする必要はありませんでした。
雁木坂を下りて
いよいよ大阪城梅林へ
豊国神社を抜けて道なりに進み、大阪城の築城以前にあった石山本願寺を偲ばせる「蓮如上人袈裟懸の松」の前で、内堀に沿って左手に曲がれば、そろそろ到着。
ここから先にある「雁木坂」の上からは、その足元にある大阪城梅林が見渡せます。
梅林に見とれるのもいいですが、お堀に浮かぶ金色に塗られた御座船が、ぎらぎら光っているのを眺めるのも、太閤さんのお城っぽくて趣があります。
梅林の様子はこんな感じ
約1.7haの敷地いっぱいに植えられた約1,270本の梅の木のあいだを、のんびりと逍遥することができるのが、大阪城梅林の魅力。
足元はすべて土ですし、大阪城には坂道や石段があったりするので、できれば履物はスニーカーなどの歩きやすく、ちょっとくらい汚れてもいいものを選ぶ方が快適そうです。
入口のあたりにはそこそこ大きいローソンがあるので、こちらでお昼ご飯を買って、梅林のなかにあるベンチでゆっくりするのもステキなのではないでしょうか。
見渡す限りの梅の花の上に、浮島みたいに見える大阪城天守閣もいいものです。
園なの掲示によると、この梅林は1974(昭和49)年に、大阪を花の名所にするために造られたものなのだそうですが、第二次世界大戦中には周囲ごと空襲で燃えたり、戦争が終わっても占領軍の失火で焼け残っていた御殿まで燃えたりと、ずいぶんと酷い目に遭ってきた大阪城が、こんなに麗らかなお散歩スポットになったのかと思うと、ちょっとジーンとしちゃいますね。
梅林を出て
大阪城天守閣へ
梅林を突っ切るようにして反対側に抜けると、右手に大阪城ホールに通じている青屋門が出てきます。
青屋門を抜けると、大阪城ホールの横を通ってJR大阪環状線の「大阪城公園」駅に出ることができます。梅林だけを楽しむなら、この駅が便利かも知れません。
せっかくなので天守閣に行きたい場合には、道なりにまっすぐ進んだところにある、細長くて優美なシルエットの「極楽橋」を渡ります。
この橋の名前も石山本願寺の名残りなのだそうで、ちょっとワクワクしますね。
極楽橋を渡ったところにある(あった)のが「山里丸」といって、秀吉の息子秀頼とその母の淀殿が、大阪城落城に際して自害した場所だとされ、記念碑を見ることができます。
ここから先はちょっと坂道なので、履きなれないヒールなどで歩くのは厳しいかも知れません。
あとは大阪城天守閣へまっすぐ。
天守閣にある博物館を見物してみたり、展望台から大阪を見渡してみたりするのもいいですし、本丸広場に面した商業施設「MIRAIZA」のカフェでくつろぐのも捨てがたいところです。
天守閣を望む屋上テラス
おしゃれ空間 ミライザ大阪城
ミライザの建物は、旧第四師団司令部庁舎(それから旧大阪市立博物館)でして、大阪城内の歴史的建築物のひとつに数えられます。
オシャレなレストランから、外国人向けのお土産屋さんまで、いろいろなお店が入っているのも楽しいですし、きれいなトイレを使えるのも、観光客には嬉しいところです。
また、大阪城の歴史を紹介するパネル展示などもあり、とても面白かったです。
大阪城天守閣に背を向けて、本丸広場をまっすぐに行けば、大阪城一の大石「蛸石」などを見物しながら、豊国神社の正面の桜門を出ることができます。
大阪城観光の所要時間
今回、キーラキアーラのスタッフが実際に歩いてみたところ、天満橋駅からミライザまで1時間半ほどでした。
写真を撮ったり、説明版をじっくり読んだりしながらで、だいぶゆったりした気持ちだったのですが、歩くだけならそれほど時間はかからない印象です。
今回はミライザでのんびりしてしまったので、途中で時間切れになったのですが、あとは京橋口方面にある硝煙蔵など、ちょっと見逃しているところが残っています。
それもまぁ、再訪の口実があると思えば…。
ここに大阪城の博物館を歩き回る時間や、ミライザでコーヒーを飲む時間などを見積もれば、大阪城をぐるっと見物する観光ルートを設定するときのお役に立つのではないでしょうか。
梅の開花時期
大阪城梅林の開花時期に関して、最も頼りになるのはやっぱり大阪城公園さんの公式ホームページだと思います。
開花状況を梅の種類ごとに分けて、分かりやすい表で示してくださっていますし、イベント情報なども載せてくださるので、ぜひ訪問前にチェックしておくことをお勧めします。
⇒特別史跡大阪城公園(2020年2月現在)
ちなみに当店のお話
このブログを書いているのは、大阪城のお膝元にあたる天満橋で、ハーバリウムの制作ワークショップを中心に活動中のChira Chiara(キーラキアーラ)のスタッフです。
「ハーバリウム」は植物を使ったクラフトアートです。
当店キーラキアーラは、観賞用植物標本「ハーバリウム」の多様な魅力を、老若男女を問わず、より多くのお客様に体験していただきたいと考えております。
⇒ハーバリウム(herbarium):言葉の意味とその姿
講師がご用意する50種類以上の花材を自由にご利用いただける、1コマ完結の制作ワークショップに特にご好評をいただいているほか、ハーバリウムの注文制作も承っております。
手入れ要らずで、長持ちで、花粉アレルギーなどの心配もない、新しい花の飾りかた「ハーバリウム」につきましては、ぜひ当店キーラキアーラをご利用ください!
TwitterやInstagramなどのSNSアカウントを、気軽にご利用いただける窓口として活用しています。
過去の制作例はもちろん、ワークショップの様子や、花や大阪についての雑学なども投稿しておりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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